龍之介、故郷へ帰る

ないものねだりと言うけれど

本当にその通りさ

夢のかけらたちは

幻と気が付いた

靴の下のぞき見れば

深い地下走るメトロ

憧れ飛び込んだのは

都会という名の迷路

高円寺のアパートの

部屋も片付けずに

すべて放って帰ってきた

故郷の空の下

あとの祭りと言うけれど

本当にその通りさ

少し足掻けるならば

ここで死にたくはないね

お日様を見上げれば

それを阻む高いビル

騒がしい人ごみの中

疲れ弱った僕がいる

黒いヤマハの

単車も乗り捨てて

すべて放って帰ってきた

故郷の空の下

東京の彼女に

さよならも言わず

すべて放って帰ってきた

故郷の空の下

ここは東京の空の下

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